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自転車操業でよくあるご相談
複数の貸金業者から借り入れがあり、頑張って毎月返済をしても一向に借金が減らない・・・そんなご相談をいただくことがあります。
これはいわゆる自転車操業という状況に陥っている可能性があります。
自転車操業をしていては、借金を完済することはどんどん難しくなってしまいます。
本記事では、自転車操業の危険性をご理解いただき、そのうえで自転車操業から抜け出す方法をご紹介します。
自転車操業とは?
自転車操業とは、借金の返済に充てるために別の借金をするということを繰り返して多重債務に陥っている状態のことです。
借金を返すために借金をしてその借金をするために借金をして・・・という状態を継続的に行わないと倒れてしまうので、ペダルをこぐのをやめると倒れてしまう自転車にたとえて、自転車操業というのです。
自転車操業が危険な理由
自転車操業が危険なのは、延々返済を繰り返したとしてもなかなか元本が減っていかないばかりか、どんどん雪だるま式に増えていってしまう可能性が高いからです。
気づいたときには自力で立ち直ることはできない状況になってしまっていることもあります。
たとえば、消費者金融Aから10万円を借り入れして翌月の返済日に別の消費者金融Bから借り入れをして返済に充て、消費者金融Bの返済日にはまた別の消費者金融Cから借り入れをして返済に充てて、これを繰り返していくとします。
この場合、一応返済はできていますが、常に10万円を借りている状態です。
返済はしていますが元本は一切減っていないことがわかります。
また、借り入れをする場合、必ず利息が発生します。
たとえば、10万円を年利15％で借りたとしたら月1250円の利息が発生します。消費者金融Aから借りた10万円は翌月の返済日には10万1250円を返さないといけません。そうすると消費者金融Bから10万1250円を借りる必要があります。ここまでくれば想像がつくと思いますが、消費者金融Bへの返済日には、さらに10万1250円に対して発生する利息を上乗せして返済しないといけないので、消費者金融Cからはさらに多くの額を借りる必要があります。
このように、自転車操業をしていると、借り入れ元本が減らないだけでなく、利息の分だけどんどん雪だるま式に借金が増えていくことになります。
まだ返済をしていられるうちはなんとかなっているように感じるかもしれません。
しかし、たとえば「今月は残業が少なくて給料が少なかった・・・」、「急な出費があって生活費が足りない・・・」というような状態になってしまった場合、さきほどの10万円（そのときは利息でもっと増えていますが・・・）に加えてさらに借金をしなければなりません。そしてこういうことは一度では終わらないかもしれません。
そうすると、借金はさらに加速して膨らんでいってしまいます。
そしてあるとき、いつもどおり返済のために借り入れをしようとしたら、消費者金融から借り入れを断られてしまうこと場合があります。
これにはいくつか理由が考えられます。
信用情報に傷がついてしまった
消費者金融やクレジットカードなどの支払いに遅れてしまうと、信用情報機関にその情報が掲載されてしまう場合があります。
信用情報機関に返済遅れが掲載されると、その人は返済能力が低いと判断されます。金融機関は、お金を貸すときには必ずこの信用情報を確認するので、ここでネガティブな評価をされるとお金を貸してくれなくなってしまいます。
自転車操業をしているうちに、ついうっかりでも支払いに遅れてしまったことがある場合、信用情報に傷がついてしまい、新たに借り入れができなくなることが考えられます。
総量規制に引っかかってしまった
現在、貸金業者からは、年収の3分の1までしか借り入れをすることができません。これは、多重債務により再起不能となってしまうことを防止するためで、総量規制と言われます。総量規制は貸金業者に対して適用されるもので、総量規制に引っかかってしまうと、貸金業者はそれ以上お金を貸してくれなくなってしまいます。
借り入れが利息によってどんどん雪だるま式に増えていったり、リボ払いを利用していたりすると、気づいたときには総量規制にかかるくらい大きくなっていることがあります。
そうすると、貸金業者はそれ以上お金を貸してくれません。
以上のような理由で、突然新たな借り入れができなくなってしまうと、自転車操業は成り立たなくなってしまいます。
膨れ上がった借金の返済をしようとしても新たな借り入れもできず、かといって自分の収入は生活費を賄うのに精一杯という状況なので、首が回らない状態になってしまいます。
自転車操業から抜け出す方法
自転車操業がいかに危険か、理解いただけたでしょうか。
それでは、自転車操業から抜け出すにはどうしたらよいでしょうか？
まずは、おまとめローンをすることが考えられます。
おまとめローンとは、複数の金融機関からの借り入れを一つの金融機関からの借り入れ一本にまとめることです。多くの金融機関が商品としてこのようなプランを用意しています。
おまとめローンをすることで、返済窓口が一本化されるので、借り入れの管理が簡単になり、返済に遅れたりすることを防止することができます。
また、場合によっては利率を減らすことができるので、返済の負担を減らすことができることも期待できます。
ただし、借り入れ額そのものには変わりはないので、現状の収入を踏まえて計画的に返済していけることを前提に利用しましょう。
そもそもご自分の収入だけで返していける見込みがない場合は次の債務整理を検討しましょう。
次に、債務整理をすることが考えられます。
債務整理をすることによって、借り入れの一部または全部を免除してもらうことができ、ご自身の収入を前提として新たに生活をやり直すことができます。
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産があります。
任意整理は、裁判所の手続きを経ることなく、金融機関と個別に交渉して、借り入れの総額や利息の支払いを減らすものです。
個人再生は、裁判所の手続きを経て、借り入れの一部を免除したり返済の条件を盛り込んだ再生計画を立てて、この計画にしたがって返済をしていく制度です。
自己破産は、裁判所の手続きを経て、借金などを基本的にすべて免除してもらう制度です。
それぞれ、メリット・デメリットがあり、どの方法をとるべきかは人によって異なります。
こちら（https://www.takasaki-saimu.net/choice/）で詳しく解説をしていますのでご覧になってください。
自力返済が難しい場合には山本総合法律事務所へ
以上のとおり、自転車操業の危険性がお分かりいただけたと思います。
ご自身の状況がもし自転車操業に陥っている、または陥りそうということでしたら、なるべく早くそこから抜け出せる方法を考えましょう。
自力で抜け出すことが難しいと思われた方は、債務整理などに詳しい山本総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
