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自己破産とは

そもそも自己破産とは、借金を返せなくなった債務者が裁判所に申し立てをして、借金の支払いを免除してもらう制度です。
裁判所が認めると借金は帳消しとなり、返済する必要がなくなります。
借金を帳消しにする代わりに、債務者の財産はお金に換え、債権者に公平に分配されます。
自己破産は、借金から解放され、人生を再スタートするための仕組みです。
自己破産をした場合、車はどうなる?

自動車を仕事や日常生活に使っている方は、「自己破産したら車はどうなるのか?」と気になるでしょう。
自己破産した際の自動車の扱いは、ローンの有無によって大きく分かれます。
ローンが残っているときは引き揚げられる
自動車のローンが残っているときは、ローン会社に引き揚げられてしまうケースが多いです。
通常は、ローンを組む際に「自動車の所有権は、完済までローン会社が有する」という内容で契約が結ばれています。
自己破産をする、すなわちローンを返せない状態になっている以上、所有権に基づいてローン会社が車を引き揚げるのが一般的です。
したがって、ローンが残っているときは基本的に車を手放さざるを得ません。
引き揚げられるタイミングは、弁護士の受任通知が相手に届いてから早ければ1~2週間程度、遅くても3ヶ月以内です。
なお、銀行系の「マイカーローン」のように、所有権が債務者にある契約も一部存在します。所有者は、車検証でご確認ください。
ローンがないときは価値次第
ローンを組まずに現金一括で購入した、あるいはローンを完済している場合には、自己破産時の車の扱いは価値次第です。
一般的には、自動車の価値(査定額)が20万円を超える場合には、処分して現金化されます。
自己破産では債務者の財産をお金に換えて債権者に分配する以上、現金化されるのが原則です。
もっとも、査定額が20万円以下の場合、処分せずに持ち続けることが認められます。
わざわざ現金化する価値がないと考えられるためです。したがって、登録から長期間経過しているなど、価値が低い車は手放さずに済む可能性があります。
車を残せるかどうかを知るには、査定額を把握するのが重要です。
自己破産をしても車を残すことができる方法

ローンが残っている、あるいは価値が20万円を超える場合には、自己破産すると基本的に車を手放さざるを得ません。残す方法はないのでしょうか?
第三者にローンを支払ってもらう
ローンが残っている場合には、家族や友人などの第三者に代わりに返済してもらう方法が考えられます。
返済して所有権がローン会社から自身に移れば、引き揚げられる心配はありません。
もっとも、自分のものにしても、価値が20万円を超えていれば、自己破産の手続きを通じて現金化されてしまいます。
せっかく返済してもらった意味がなくなってしまうので、事前に査定額をよく確認しておくようにしましょう。
なお、自分でローンを返済してはいけません。一部の債権者だけに返済すると、破産法上禁止されている「偏頗弁済」という行為に該当してしまいます。
借金が免除されなくなるおそれがあるので、絶対に避けてください。
ローンの返済は注意点が多いので、事前に弁護士に相談しましょう。
自由財産として認めてもらう
査定額が20万を超える場合でも、「自由財産の拡張」が認められると自動車を保有し続けられます。
自由財産の拡張が認められるのは、通院に不可欠であるなど、生活のためにどうしても必要であるケースに限られます。認めてもらうには、不可欠である理由を示さなければなりません。
自己破産の際に車に関してやってはいけないこと

車を持ち続けたいからといって、法的に許されないことをしてはなりません。
借金の免除が認められない、刑罰に問われるといったリスクがあります。
具体的には、以下の行為はしないようにしてください。
家族名義に変更する
自己破産の効果は、破産者だけに生じます。
家族が所有する車であれば、破産者が使用していても処分する必要はありません。
もっとも、処分を免れるために家族名義に変更するのは避けてください。
財産隠しを疑われてしまい、破産手続きで免責許可が認められずに借金を帳消しにできない恐れがあります。
「詐欺破産罪」という刑罰に問われる可能性もあります。
名義変更しても発覚するリスクが高いです。「バレないから大丈夫」と考えて安易に名義変更をしてはなりません。
自動車ローンだけを返済する
自動車ローンが残っていると引き揚げられるからといって、優先的に返済してはなりません。
「偏頗弁済」に該当し、免責が認められない可能性があります。
債権者は平等に扱うのが原則です。
勝手に一部の債権者だけに返済するのは避けましょう。
自動車やローンの存在を隠す
自動車そのものやローンの存在を隠すのは絶対にやめてください。
免責が不許可となるだけでなく、詐欺破産罪に問われる恐れもあります。
隠そうとしても、支払い履歴や郵便物などから発覚します。財産・借金を隠してはなりません。
勝手に売却する
勝手に車を売却するのも避けてください。
自動車は財産である以上、原則として債権者に公平に分配されるべきであるためです。
特に本来よりも低い価格で売却するのは問題が大きいです。
自己判断せず、弁護士に相談するようにしてください。
自己破産後に車を買える?

自己破産により車を手放すと生活に支障があり、すぐに購入したい場合もあるでしょう。
自己破産後に車は買えるのでしょうか?
ローンはしばらく組めない
自己破産をすると、ローンはしばらく組めません。
信用情報機関に、自己破産をした事実が登録されてしまうためです。
ローン会社は信用情報を確認するため、通常は審査を通過できません。
少なくとも5年は情報が残り、ローンは組めなくなります。
現金での購入は可能であるため、車を入手するには安い中古車を選んだり、お金を貯めるのがよいでしょう。
家族は購入できる
自己破産しても、家族の信用情報に影響はありません。
したがって、家族がローンを組んで自動車を購入することは可能です。
すぐに車が必要であればご検討ください。
よくあるご質問

自己破産と車に関して、これまで説明した事項のほかに、よくある質問をまとめました。
Q.10年落ちの車なら自己破産をしても残せる?
A.10年落ちの車は、大半は価値が20万円以下であり、現金化しなくて済む可能性が高いです。
もっとも、高級車や人気の車種であれば、価値が保たれているケースもありますので注意してください。
また、ローンが残っていて所有権がローン会社にあれば、価値が低くても引き揚げられてしまいます。
Q.7年落ちの車なら自己破産をしても残せる?
A.登録から7年経過している車であれば、無価値と判断される可能性が高いです。
通常は残すことができるでしょう。
ただし、10年落ちの場合と同様に、価値が高い車種である場合や、ローンが残っている場合には、手放さざるを得なくなります。
Q.レンタカーやカーシェアは利用できる?
A.自己破産をしても運転免許は失効せず、レンタカーやカーシェアの利用は可能です。
ローンを組めない状況では有力な選択肢になります。
もっとも、クレジットカードを作るのが難しくなるため、クレジットカードでの支払いはできない点はご注意ください。
Q.自己破産以外の方法はある?
A.どうしても自動車を手放したくないのであれば、任意整理も考えられます。
任意整理は、債権者との交渉により借金を減らす方法です。
財産を強制的に処分されることはないため、自動車を持ち続けられます。
自動車ローンがあっても、対象から外せば問題ありません。
ただし、借金は一部残り、継続的な返済が必要です。
どの方法を選ぶべきかも含め、弁護士にご相談ください。
自己破産をする際は弁護士に相談を

ここまで、自己破産する際の車の扱いについて解説してきました。
ローンが残っている場合、自己破産に際して車は引き揚げられてしまいます。
ローンがないときでも、20万円を超える価値があれば基本的に処分の対象です。
車を残せる方法は存在しますが、すべての方が使えるわけではありません。
車を手放したくないからといって、財産隠しや偏頗弁済といった、法的に禁じられた行為をしないでください。
ベストな解決策を知るには、弁護士に相談するのがオススメです。
自己破産を検討しているものの、車の扱いに不安がある方は、弁護士法人山本総合法律事務所までご相談ください。
当事務所は、群馬県内でも規模が大きい弁護士事務所のひとつです。
これまで、群馬・高崎に密着して、地域の皆様から債務整理に関する数多くの相談を受け、解決に導いてまいりました。
自己破産における車の扱いは、裁判所によって異なる場合があります。
地域に根差した法律事務所への相談をオススメします。
借金にお悩みの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。
