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任意整理の再和解とは

任意整理の「再和解」とは、簡単に言えば「もう一度任意整理をすること」です。
任意整理後に返済が滞ってしまい、一括請求や遅延損害金を請求されてしまったとしても、もう一度債権者と分割払いの条件を交渉し直すことができます。
任意整理後に返済が遅れたときに起こること
任意整理の和解書には、多くの場合「一定回数(一般的には2か月分)以上の支払いが滞ると、残債を一括請求できる」「遅延損害金が発生する」といった条項(懈怠約款)が盛り込まれています。
そのため、1回目の遅れが生じた段階であれば催促や連絡にとどまることが多いものの、2回分以上の滞納となると、「残債の一括請求+遅延損害金の請求」という流れが一般的です。
遅延損害金の利率は、和解書で定められた年率(数%〜20%程度)とされることが多く、滞納期間が長くなるほど債務は増えてしまいます。
「再和解(任意整理のやり直し)」とは何か
一括請求や遅延損害金が発生した状態になっても、債権者が再度の分割払いに応じてくれる場合があります。
これが、任意整理の「再和解」です。
再和解では、「滞納期間中に発生した遅延損害金をどこまで含めるか」、「今後の支払回数や月々の返済額をどう設定するか」などを、もう一度交渉し直します。
再和解の方法

再和解を検討する場合、「何から手を付ければいいのか分からない」というご相談も多くあります。
ここでは、事前に確認すべきポイントと、再和解の大まかな流れを解説します。
再和解の前に確認しておきたいポイント
再和解の可否や条件を検討するうえで、次のような情報をそろえておくことが重要です。
- 債権者ごとの残債務額
- 滞納している期間、滞納額
- 現在の収入と支出、家計の状況
- もともとの和解書の内容(返済回数・毎月の支払額・遅延損害金の利率・懈怠約款など)
- 前に依頼していた事務所との委任関係が続いているか、辞任されているか
これらを整理することで、手続きの見通しを立てやすくなります。
再和解の大まかな流れ
任意整理の再和解は、次のような流れで進めるのが一般的です。
現状の整理
各債権者の残債や滞納回数、もとの和解条件、現在の収入・支出を把握し、「毎月いくらまでなら現実的に払えるか」を確認します。
この段階で、再和解で返済を続けられるか、他の債務整理を検討すべきかの大まかな見通しも立てます。
債権者への連絡・事情説明
債権者に連絡し、滞納に至った事情と今後の収入見込みを説明したうえで、「一括払いは難しいので、○年・○回の分割で支払いたい」などの希望条件を伝えます。
返済条件の調整・合意
月々の返済額や回数、遅延損害金の扱いなどについて、具体的な条件をすり合わせます。
無理のない金額かどうか、家計の状況と照らし合わせて慎重に検討しなければなりません。
書面での確認・返済再開
合意内容を書面で確認し、残債務額、毎月の返済額、支払期日、完済予定日などをチェックします。
問題がなければ、その条件に従って返済再開となります。
再和解をする際の注意点

再和解は、任意整理後に返済が難しくなったときの選択肢の一つですが、いくつか注意すべきポイントがあります。
ここを誤解したまま進めると、「結局また支払えなくなってしまった」という結果になりかねません。
条件がよくなるとは限らない
再和解は「返済額を下げる手続き」ではありません。
むしろ、初回の任意整理の段階で、すでに債権者が大きく譲歩しているケースが多いため、「前回と同程度の返済額・返済期間」、「場合によっては、前回より月々の返済額が増える」といった条件になることも珍しくありません。
そのため、「毎月の支払いを少し減らしたいから再和解してみよう」という発想で安易に手続を進めるのは危険です。
今の条件で支払えているのであれば、再和解を行うのではなく、家計の見直しや支出の抑制で対応すべきでしょう。
遅延損害金により債務が増えている可能性
滞納期間中は、残債務に対して遅延損害金が日割りで加算されていきます。
再和解では、「すでに発生している遅延損害金を新たな元本に組み込んだうえで分割払いにする」、「今後発生する遅延損害金はカットしてもらう」といった対応をされることが多いものの、結果的に「一度目の任意整理のときより総額が増えている」ということもあり得ます。
再び払えなくならないための家計見直し
再和解が成立したとしても、同じ原因で再び返済が滞ってしまえば、「三度目の任意整理」を取らざるを得なくなるおそれがあります。
そのため、再和解時は以下のような点について検討する必要があります。
- 勤務先、働き方の見直しや副収入の検討
- 固定費(家賃・通信費・保険料など)の削減
- 家計簿をつけて「どこにお金が消えているか」を可視化する
再和解をする際は、原因への対処を並行して進めることが大切です。
任意整理の再和解ができないケース

再和解は債権者の対応や債務者の返済能力によっては、そもそも応じてもらえないケースもあります。
ここでは、再和解ができない(難しい)ケースを確認しておきましょう。
支払能力がなく再和解しても返済が続けられない
家計が恒常的に赤字で、収入と支出を見直してもなお毎月の返済原資が確保できない場合、再和解をしても、すぐに行き詰まってしまう可能性が高いです。
こうしたケースでは、個人再生や自己破産といった法的整理を検討すべきでしょう。
実際にどの手続が適切かは、借金総額や収入、持ち家の有無やローンの状況などによっても変わるため、弁護士と相談しながら判断することをおすすめします。
債権者が再和解に応じない・条件が極端に厳しい
債権者によっては、社内方針などにより「再和解は原則として受け付けない」「一括払いが基本」としているところもあります。
また、形式上は再和解に応じるものの、前回の完済予定日までに返し切ることを前提に返済回数を短縮する、滞納中の遅延損害金を全額元本に上乗せしたまま返済額を引き上げるといった、実質的には返済継続が困難な条件しか提示されない場合もあります。
このような場合には、再和解に固執せず、個人再生や自己破産など別の選択肢に切り換えることも視野に入れなければなりません。
すでに訴訟や差押えに発展している
任意整理後の返済を長期間にわたって滞納していると、貸金業者から訴訟を提起され、給与や預金の差押えにまで発展することもあるのです。
訴訟や差押えが進行している場合でも、状況によっては分割払いの交渉ができることもありますが、債権者との交渉を簡単に進めるのは難しいのが実情です。
すでに差押えに発展しているケースでは、差押えられている金額や今後の収入見込みなどを踏まえて、個人再生や自己破産による解決も視野に入れるべきでしょう。
任意整理の再和解を弁護士に相談するメリット

では最後に、任意整理の再和解について弁護士に相談する主なメリットをまとめます。
状況に合った解決方法の提案を受けられる
弁護士に相談すると、状況にあった解決策を提示してもらえます。
たとえば、
- 再和解で解決を目指すべきか
- 個人再生や自己破産など、別の手続を選ぶべきか
- 任意整理していない債権者も追加で整理すべきか
などを、収入・支出・資産・家族構成などの事情を踏まえて検討してもらえます。
「とりあえず今月をしのぐ」のではなく、数年先まで見据えた現実的な返済計画・生活再建のプランを一緒に考えてもらえる点が大きなメリットです。
債権者との交渉・書類作成を任せられる
再和解を弁護士に依頼すれば、債権者との条件交渉や和解書の確認・作成を任せることができ、法律的に不利な条項が紛れ込んでいないかチェックを受けることができます。
また、複数の債権者がいる場合でも、窓口を弁護士に一本化できるため、ご自身でやり取りする負担も大幅に軽減されるでしょう。
取立てのストップと精神的負担の軽減
弁護士が再和解の依頼を受けると、各債権者に受任通知を送付します。
受任通知が届いた後は、原則として債権者は直接の取立てを行うことができず、督促の電話や手紙も弁護士宛てに変わります。
これにより、頻繁な督促から解放され、返済や手続きについての不安を一人で抱え込まずに済むといった、精神的負担の軽減も期待できるでしょう。
まとめ

任意整理の再和解は、一度した任意整理の支払いが難しくなった場合に、もう一度分割払いの条件を整え直す手続きのことです。
できるだけ早い段階で弁護士に相談し、ご自身の状況に合った最善の解決方法を一緒に検討されることをおすすめします。
山本総合法律事務所でも、任意整理後の返済に関するご相談を含め、債務整理全般についてご相談をお受けしています。
お一人で悩まず、まずは一度当事務所にご相談ください。
