A.借金がある状態で過払い請求すると、過払い金が発生すれば借金がなくなるだけでなく、お金が戻って来る可能性があります。
借金がなくならない場合でも、任意整理の手続きによって、多くの場合は将来の利息が免除されたり、交渉でなるべく長期の分割返済にする事で月々の返済額が減り、負担が軽くなります。
なお、任意整理となった場合、信用情報が低下し、新たな借り入れなどができなくなってしまいますが、見方を変えれば、借金に頼らない生活をすることになるともいえます。
群馬県高崎市の弁護士が解説します。
目次
1.借金を上回る、または同じ額の過払い金があった場合
2.過払い金が借金よりも少ない場合
3.過払い金があるかどうかを知る方法
4.まとめ
1.借金を上回る、または同じ額の過払い金があった場合
借金が残っている状態で過払い請求した場合、借金の額を上回る過払い金が発生していれば借金がなくなりますし、さらにお金が戻ってきます。
過払い金の額と借金が同額であれば、お金は戻ってきませんが、借金が0になります。
しかも、上記の状態であれば、信用情報に傷がつく(いわゆるブラックリスト状態)になる事もありませんので、借金が残っている状態でも過払い金請求をするメリットがあると言えます。
2.過払い金が借金よりも少ない場合
過払い金が借金の額よりも少なく、借金がなくならなかった場合、「任意整理」をしたと信用情報に登録がされてしまい、新たな借り入れができなくなります。
ただ、多くの場合、将来の利息が免除されたり、交渉でなるべく長期の分割返済で和解する事で月々の返済額が減り、負担が軽くなるなどのメリットがあります。
また、前記したように過払い請求により借金が残った場合、信用情報が低下するため、新たな借り入れなどができなくなりますが、見方を変えれば、借金に頼らない生活をすることになるとも考えることができます。
3.過払い金があるかどうかを知る方法
このように、過払い金の額によってメリット・デメリットが変わってきます。では、ご自身に過払い金が発生しているかどうかを知るにはどうしたらいいのでしょうか。
一般的に、以下に当てはまると過払い金が発生している可能性が高いと言われています。
● 平成19年(2007年)より前から借り入れを始めた
● 上記の期間に、消費者金融・クレジットカードのキャッシング機能で借り入れをした
● 取引を5年以上継続した
逆に、次の場合に当てはまると、過払い金が発生している可能性は低いと言われています。
● 平成20年(2008年)以降から借り入れを始めた
● ショッピング代金の支払い・車のローン・法定金利内での借り入れ
ただし、取引の状況によっては上記に当てはまらない場合もあります。
また、正確な過払い金を知るためには、取引履歴をもとに引き直し計算(現在の利息に当てはめて払いすぎた利息がないか調べること)を行う必要があります。
4.まとめ
このように借金が残っている状態での過払い請求にもメリットがあります。
ただ、過払い金の額が借金よりも少ない、または過払い金が無い場合には信用情報が低下してしまう可能性もあります。
まずはご自身に過払い金があるかどうか、過払い金の額がどれくらいあるのかを確認するためにも、専門家に相談されることをおすすめします。