A:難しいと言えます。
個人再生では安定した収入を継続的に得られることが求められるため、難しいと言えます。
個人再生には、自己破産と違って住宅ローンの残っている自宅を処分しないようにすることができる点など、いくつかの大きなメリットがある債務整理の方法ですので、この制度を利用して借金を整理したいとお考えの方もおられると思います。
しかし、個人再生を利用するためには、いくつかの条件を満たす必要があり、その中には収入に関する要件も定められています。具体的には、安定した収入を得る見込みがあるということが、個人再生の要件として必要になります。
これは、個人再生が、圧縮された借金を返済していく手続きだからです。つまり、個人再生では、債務が大幅に圧縮されるもののゼロになるわけではなく、再生計画に従って、圧縮された後の債務の返済を続けていかなければならないため、支払を続けていけるような見込みが要求されているのです。
この点、個人再生手続きには、大きく分けて小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類がありますが、そのいずれの場合にも、安定した収入を得ていく見込みが必要とされています。
なお、安定した収入と言っても正社員としての給与に限られるわけではなく、アルバイト等でも継続的に行うことができれば要件を充たすことは可能です。
以上のように、収入を得ていく見込みが無い方には、個人再生を利用することができません。そういった方が債務整理を行う場合、借金を全てゼロにすることが可能な自己破産を検討されることになるでしょう。もっとも、現在無職の方でも、仕事に就いて収入を確保して、その上で個人再生を行うということも考えられるでしょう。