A:下記のような内容です。
1.自由財産とは
自由財産とは、破産者の財産のうち破産財団に属せず、破産者が自由に管理処分できる財産のことを言います。
2.自由財産の範囲
(1)現金
自由財産としてまず含まれるものは、99万円以下の金銭(現金)(破産法34条3項1号、民事執行法131条3号)です。
(2)差押禁止財産
ア差押禁止財産の規定
また、以下に説明する差押禁止財産も法が定めた本来的自由財産であり(破産法34条3項2号)、原則として破産者が全て保有できます(同号ただし書の民執132条1項で差押えが許されたもの等一部例外があります)。
イ差押禁止財産の範囲
民事執行法上の差押え禁止動産(民事執行法131条)には、生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用品、畳及び建具(同条1号)、1ヶ月間の生活に必要や食料・燃料(同条2号)、農業・漁業従事者の農機具・漁具(同条3号)等があります。
また、大工道具、理容器具等の技術者等の業務上必要な器具類は、差押え禁止動産とされています(同条6号)。このように、民事執行法131条各号該当性の確認に注意を払う必要があります。
また、民事執行法上の差押禁止債権(民事執行法152条)には、給料・退職手当(原則4分の3相当部分)などがありますが(同条1項2号)、民間の年金保険も同様となります(同条1項1号)。
3.自由財産の拡張
本来的自由財産は、前述のとおり原則として破産者が全て保有できます。
しかし、他の財産の自由財産拡張を求める場合には、拡張の判断の際に、差押禁止財産の「種類及び額」が考慮されることになります(破産法34条4号)。
より詳しいことにつきましては、破産実務に精通した弁護士にご相談ください